「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス6巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全日本少年サッカー大会の地区予選の初戦で、昨年地区予選3位の白鳳イレブンと対戦するキッカーズ。
2点リードされていたキッカーズだったが、後半2点を返し、ついに試合を振り出しに戻す。
追いつかれていた白鳳イレブンは、対南陽SC用に温めていた秘密特訓の成果を出してくる。
それは、「エイト・バック・システム」で守備主体だった陣形を変え、バックスを含めた全員攻撃を仕掛けるというものだった。
白鳳イレブンの全員攻撃を、根性で耐えるキッカーズ。
ボールをサイドにクリアして、一旦攻撃をしのいだキッカーズは、試合時間1分を残し、DFの学を下げて、補欠の太一を投入。
太一の巨体からのロングスローで、ボールを白鳳ゴール前に一気に運び、最後の攻めに賭けるのだった。
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巨漢DFがロングスローを得意にしているという設定は、「キャプテン翼」の高杉くん(修哲小・南葛SC・南葛中など)もそうだった。
ちなみに、ロングスローに定評があるという設定の高杉くんだけど、南葛中時代の比良戸中戦では、ロングスローと見せかけて、後ろ方向へのスローインだったので、彼のロングスローが効果的だった試合は、全日本ユース時代のタイユース戦の時くらいしかなかった。
「がんばれ!キッカーズ」の太一くんも、ロングスローで活躍したのは、この一試合だけ。
そういう点では、2作は似ていると言える。
しかし、高杉くんがロングスローで活躍したタイユース戦の描かれた1994年は、「がんばれ!キッカーズ」の連載(1984年~1989年)が終わって5年後なので、「がんばれ!キッカーズ」が「キャプテン翼」を真似したとは考えられない。
それにそもそも、巨漢が持ち前の力でロングスローが得意というのは、アイデアとしては平凡なので、似ていたとしても、真似とは言えないだろう。
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太一くんのロングスローを、翔くんがボレーシュートするも、ゴールバーに当たって得点にならず。
その間に守備隊形を整える白鳳イレブンだったが、直人くんのフェイントに引っかかって、白鳳のバックス陣はジャンプしてしまう。
そして、ジャンプした白鳳バックス陣の足元の下を通した、翔くんの地を這うサブマリンシュートが勝ち越し点を決めるというのが、この試合の幕切れだった。
フリーキックの壁ならともかく、守備陣全員が一斉に同じタイミングでジャンプするって、「鉄壁の守備」の白鳳イレブンの選手は、本当に鉄壁なのか?
ところで、鉄壁といえば、南陽SCの上杉くんが、白鳳イレブンの全員攻撃について、
「つまり白鳳バックスの”鉄壁の守り”が そのまま”鉄壁の攻め”にかわったんだ。」と、ドヤ顔解説をしていたけど、”鉄壁の攻め”って、日本語としてどうなんだろうか?
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さて、試合時間の残りギリギリで勝ち越しゴールを奪い、強豪・白鳳イレブンに勝利したキッカーズ。
この勝利が、創部以来公式戦の勝ち星なしだったキッカーズにとって、初めての勝利となるのだった。
コミックス6巻にして、初勝利? と読んでいて疑問を持ってしまったのだが、これまでのコミックス1巻~5巻の試合はすべて練習試合のため、公式戦としては白鳳イレブン戦が初勝利となる。
(南陽SC戦:敗北(1-12)、山中村サッカーチーム戦:引き分け(1-1)、ブラジルチーム戦:勝敗不明、西山SSS戦:引き分け(2-2)、海光学園中学部サッカー部戦:勝利(2-1)、相沢FC戦:勝利(2-1)、東谷SC戦:勝利(6-5))
「キャプテン翼」の南葛SCは、昨年全国優勝の修哲小を中心として南葛市から精鋭を選抜したエリートチームだったのに対し、「がんばれ!キッカーズ」の北原キッカーズは「おんぼろキッカーズ」と揶揄される弱小チームというのが、作品の設定として大きく違うところだと思う。
ここが似てるぞ!
・巨漢DFのロングスローを契機に勝利する。
・地を這う軌道のシュートが存在する。
(キャプテン翼:松山光(ふらの)のイーグルショット(北国シュート)、キッカーズ:大地翔のサブマリンシュート)
ここが違うぞ!
キャプテン翼:南葛SCは、チーム創設から、全国大会で明和FCに敗れるまで、県予選を全戦全勝。
キッカーズ:創部以来、白鳳イレブンに勝つまで、公式戦未勝利だった。
次回は、コミックス6巻の天才キーパー上杉くんの南陽SCvsストライカー水島雄くんの西山SSS戦。