「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス2巻と3巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
カルロス率いるブラジルチームと対決するキッカーズ。
ブラジルチームの面々は、裸足で手作りのボールでサッカーをする貧しい暮らしをしていたが、プロサッカー選手になって金を稼ぐために日本に来たのだった。
キッカーズのサッカーを「あまちゃんサッカー」と呼ぶブラジルチームは、勝つことが至上命題。
時には味方同士でボールを奪い合ったり、ミスをした味方を殴りつけたりと、勝利への執念を見せる。
そんなブラジルチームに対し、キッカーズは個人プレーよりチームプレーで対抗。
キッカーズのプレーを見ていくうちに、ブラジルチームはサッカーの楽しさを思い出すのだった。
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2巻に引き続き、3巻もブラジルチームとの対戦。
ブラジルチームが来日した目的は、「日本にプロのサッカーチームを養成する学校がある」から。
しかし、考えてみて欲しい。
「がんばれ!キッカーズ」の連載がされていたのは、1980年代。
日本のプロサッカーリーグ・Jリーグが発足したのは1993年なので、連載当時は日本にプロサッカーは存在しない。
一方、ブラジルは当時とっくにプロサッカーが存在し、ワールドカップにも複数回優勝していたサッカー王国である。
プロのサッカー選手になるために、プロサッカーのあるブラジルから、プロサッカーのない日本に来るというのは設定にムリがあると思う。
キング・カズこと三浦知良選手は、1980年代にブラジルに渡ったし、「キャプテン翼」の翼くんも中学卒業後にブラジルに渡っている。
プロサッカーのない日本の若者が、プロサッカーのあるブラジルに向かうのはあり得ることだが、逆はあり得ない。
「がんばれ!キッカーズ」では「理事長」と呼ばれるカーネル・サンダースをハゲさせたようなナゾの人物が、カルロスたちブラジルチームを率いているが、あのにせカーネル理事長はプロクラブのない日本で、どうやってブラジルの少年たちをプロのサッカー選手に育てるつもりだったんだろうか?
ここが似てるぞ!
・海外のサッカーは日本よりラフプレーが多い。
・サッカーの本場はブラジル。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:プロになるため、日本からブラジルへ(大空翼)。
キッカーズ:プロになるため、ブラジルから日本へ(カルロスと仲間たち)。
キャプテン翼:カルロス・サンターナはブラジル選手権で主人公と対戦後にも、ワールドユース選手権、スペインリーグ、マドリッドオリンピックとたびたび登場し、主人公と激突。
キッカーズ:カルロスの出番は二度となかった……
次回は西山SSSの水島雄の登場について。