「がんばれ!キッカーズ」と「キャプテン翼」の似ているところと違うところを、コミックス2巻の中から、具体的に指摘していく。
【ストーリー概要】
全国ベスト4の強豪・南陽SCとの練習試合は、前半で0-12の大差がつくが、キッカーズの面々は試合を諦めていない。
南陽三羽ガラスのトライアングルフォーメーションからのシュートに序盤は手も足も出なかった本郷キャプテンが、次第にシュートを止められるようになっていき、翔は南陽ゴールに迫るなど、反撃ムードが高まっていく中、前半終了を迎える。
後半、雨が降り出しキッカーズの勢いが盛り上がりを見せたところで、本郷キャプテンがゴールポストに頭を打ちつけ負傷退場。
審判に試合の棄権を勧められるも、翔は最後まで戦うことを宣言。
キーパーに控えメンバーの太一を入れ、泥だらけになりながら、キッカーズは懸命にゴールを目指す。
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強豪・南陽SCとの後半戦。
誰が蹴るか分からない南陽三羽ガラスのフォーメーションを破るため、目ではなく、耳でシュートを捉えるという謎理論で、シュートを止められるようになっていく本郷キャプテンだったが、負傷により途中退場。
「キャプテン翼」も、最初の試合では南葛小のキャプテンの石崎くんが足を負傷して退場するが、代わりに入るのは石崎くんより数段上の実力を持つ岬くん。
「がんばれ!キッカーズ」で本郷キャプテンの交代要員は、スタメン落ちの実力の太一。
同じ負傷交代でも、似てはいない。
「キャプテン翼」に限らず、サッカーマンガで選手がケガするのはよくあることだが、「がんばれ!キッカーズ」はとにかく負傷が多い。
それもねん挫とかではなく、流血がやたら多い。
「キャプテン翼」の石崎くんは、代名詞の顔面ブロックを何度もやる割に鼻血を出すことはまずない。
だが、「がんばれ!キッカーズ」で顔面ブロックすると、しばしば鼻血が出てしまう。
今回のvs南陽戦では、頭から流血した本郷キャプテンはすぐに退場してしまうが、「がんばれ!キッカーズ」の作中では額からダラダラ血を流しても、治療を受けさせず血をまき散らしながらプレーを続行することが多い。
いや、そこはプレーを中断させろよ、審判。
さらに、双子の兄弟たけし・きよしのたけしくんの背中を踏み台にして翔くんが高くジャンプしたり、たけしくんときよしくんが合わせた手を踏み台に健太くんが飛んだり、双子の兄弟を利用してジャンプするシーンが見られる。
「キャプテン翼」で双子の兄弟(立花兄弟)にも、仲間を踏み台に高くジャンプするプレー(スカイラブ・ハリケーン)があるが、こちらは高く飛ぶのは双子の方であり(和夫が下で政夫が飛ぶ、またはその逆。あるいは次藤くんの足を踏み台に政夫・和夫が飛ぶ)、双子が踏み台の「がんばれ!キッカーズ」とは似ていない。
ちなみに、仲間の身体を踏み台にしてジャンプするのはどっちにしても反則。
何より「キャプテン翼」は強豪・修哲小を相手に弱小・南葛小は互角以上の試合展開で、延長戦の末に2-2の引き分けだったのに比べ、「がんばれ!キッカーズ」は1-12の大差で敗北と結果が大きく異なる。
「がんばれ!キッカーズ」は勝利することだけに価値を置いていない。
始めは勝ち目のなかった強敵を相手に、徐々に戦えるようになっていき、最後には1点を返すことができるようになった成長と、最後まであきらめない精神が、この試合で作者が伝えたかったことなのではないかと思う。
ここが似てるぞ!
・弱小の主人公チームのキャプテンが負傷で途中退場。
・仲間を利用して高くジャンプ。それに双子が関わっている。
ここが違うぞ!
キャプテン翼:交代要員(岬)がスーパープレーヤー
キッカーズ:交代要員(太一)は落ちこぼれ
キャプテン翼:双子が仲間を踏み台にして、ジャンプする。
キッカーズ:双子が仲間に踏み台にされて、ジャンプされる。
キャプテン翼:強豪と引き分け
キッカーズ:強豪に大敗
次回はコミックス2巻の山中小学校のエピソード。